僕が日本の職人さんの技術の高さに惚れ込んだきっかけは、関さんの靴からでした。
18歳の後半から服飾業界に入り、それまではずっとインポート。
インポートのライセンスや国内の製品なんかも着てましたが、どこか小馬鹿にしている自分がいました。
靴にしても、当時は国内生産で高級靴を生産してるなんて知らず、やれクロケット、オールデン、トリッカーズ、
エドワードグリーン、ジョンロブこれらを収集するのに必死でした笑。
パラブーツ、ダナー、トニーラマ、シルバのマッツア、とかもあったかな。
当時は、英国靴が好きで、ストレートチップ最高なんて思ってた時期もありましたかね笑
で、どんどん色んな事を知り、欲が出てくると、まずデザイン面で、欲しい靴がない。
革がこんなんで、ブーツでとか!!!
それから、仕事を点々としひょんな事からイタリアの某鞄屋への勤めが決まりました。
そこでは、衣類のバイイングと鞄の企画なんかも出来るという事で、あっさりと大手セレクトを
辞めてそっちへ移ったわけです。もちろん、給料はだだ減り。生活できなかったな〜笑
バイイング言うたかて、引っ張って来ているブランドを店用の発注のみですから、会社としては
リスクも最小限、ましてや予算も少ない店だから、たいした事ないんですけどね。
でも、当時の僕からすればすべてが新鮮だったんです。鞄の企画も、した事ないのに喜んじゃって。
それからしばらくし、社長にがんばりを認めてもらい国内の仕入れならやっていいと言われました。
じゃぁ、まずやりたかったのが靴!当時の会社の方々は、まぁ、ひどい靴を履いてた。
なんでアパレルやのにって位ひどい。それ何処のって感じです。
理由は、靴やってこけてからあんまし仕入れる事なくなったそうです。
OKをもらった僕は、うれしくて仕方がない。ほな、インポート入れてるとこに別注やろ!って意気込んじゃって!!!
しかし、現実は少数での別注なんてありえない。ましてや、提案したかったのが編み上げ(笑)
今もそうですが、紐靴!特に編み上げが僕好きなんです!!!
どこ聞いたかって、当時編み上げなんか少ない少ない。ましてや別注でしょ、できへんできへん。
そんな時、あるメーカーさんを紹介して頂き、伺った先で目にしたのが、関さんの靴でした!!!!
まぁ、びっくりしましたよ!!!何て綺麗な靴なんだって!!!!
ほんま、僕が今までお金をかけてきたインポートの靴達がしょぼく見えた事!!!!
知らん事は、ある意味幸せ。でも知ってしまえば、学ぶ事の喜び!!!!
初めて別注したのが、フロイデンベルグのボックスカーフの黒とデュプイの焦げ茶。そして製甲は特殊なモカ(銀掬い)の編み上げブーツ!!!
当時の僕は、黒と茶を両方同じものでそろえるのに凝っていました。笑えるでしょ、僕が茶!!!!今では、皆さん想像もできないと
思いますが。茶好きやったんです。
いまでは、黒、赤、白、それに紫ってな感じで揃えています(笑)
そこで、見せてもらった関さんの数々のサンプル衝撃的でしたね!ほんまベーシックな一文字、ウイングチップ、ドーウ”ァー、
どれを見てもまさってました、間違いなく。
それからです、日本にもこんな職人さんおるんやって!!!!自分の考え方が180度変ったんですよ。
今までのインポートから国内の職人さんの技術へ!!!
そして、その別注の靴が上がってきて、いざ履いてみると、これまたものすごく良いフィッティング。
足は痛くないし、締めてる所はちゃんとしまってる(当時の感覚です。今はもっと精度が上がっています)
今まで履いきた靴達はなんやってん!!!今までは、革靴は、なじむそして中底が沈んでちょうどようなる
てな概念をもっていましたが覆りましたね。痛うて履けへん。履いたそばからキツいで、夕方になると痛い。
これがインポートの既製。でも、これが普通だと勘違いしてたんです。
それからです、僕の人生が急激に国内職人集団に目を向け行動しだしたのは!!!!
日本のもの作りは、決して海外のモノ作りに負けないと!!!!
良い職人が居ても、依頼主が職人に要望、希望、指示が出来るか?
また人と人なので、お互いの信頼関係の築き方も非常に大事。
お互いのスキルをwin winの関係でステップアップするのも仕事のうち。
そういう意味では、栄太と関さんの関係はいいパートナーシップだし、
観てると羨ましくもある(笑)
宜しくお伝え下さい。近いうちに玲子と平野とで関さんところ行くかな(笑
Bobさん、コメント有り難うございます。
関さんとの掛け合いは凄く面白いです。出来上がる度に、レベルアップ度が凄い!
これからも、関さんの靴に負けないスーツ作りますよ!
今度、東京行くんでその時、都合つけば合いましょう!!!
関さんにも言っときますね!