いや〜暑いですね!!!しかし、こんなときこそ、
ピシっと決めてる紳士淑女の方々を見ると、こっちも背筋が伸びますよね!!!
僕の仕事がテーラであるが故に言ってるんやろって言われてしまうと残念なのですが、
やはりいい大人のだらけた格好ほど醜いものはないですよね。
仕事でもプライベートでも出来るだけ相応の装いをしてくださいって感じです。
だって、夏は何来たって暑いし汗をかくんだから!!!!
それに見合った、素材を選べばいいんですよ。
夏は、何でも”メッシュ”
26日の繊研新聞にサビルローでも女性向けのBESPOKEが広がってるとのこと。
意外や意外、なかったんか?っと。
しかも老舗テーラーのカッターに女性が就任したからはじめたと。
不思議なもんですね。男でも女でも待てて金額が払える人ならやればいいのに。
書いてある事が面白いのは、とあるテーラーは男性向けにはない、
手間と技術が女性用にはかかるから受けないとの事でした。
確かに、女性と男性は違うのはわかる。
機械縫製で、それをいうのはいいでしょう。手製で、それをいっちゃうと、
企業努力が足りないんとちゃうのってと思ってしまいました。
Oguriでは、昔から女性向けのBespoke を受けています。
しかし、期間や金額との折り合いで中々需要は広がっていませんでした。
ですが、今では常連さんも増え少しずつですが、各方面のお仕事の方々が増えています。
で、女性向けのBespoke で何が難しいか!!!単純に言えば余裕の入れ方。
とにかくうちの淑女さんたちの要望は、スタイルがよく見えるようにして!!!
ウエストから二の腕、太もも何でも細くスタイルがいいようにして。
でも、動きやすく!!!!胸は上がって見えるようにとか。
で、素材はというと、さらっとしてしなやかで艶のある生地!!!
最後に一言ストレッチは、NO!!!!
(Oguriでは、ストレッチは絶対に使いません。なぜなら、絶対に伸びきってしまうから。
素材自体の劣化頻度が高いものは作ったって無駄でしょ。
今後、誂えに見合うストレッチ素材が出来たら扱ってみたいものです。)
てなわけで、淑女の方々の注文は男性に比べ別の所で小五月蝿いのは、確かです。
でも、お金と時間をかけるんであれば、理想を追求したいのが人の性分。
そんなこんなで、こんなの出来ました。
Caccioppoli Special Day Silk & Wool Ⅲ Pice の仮縫いです。
この淑女さん、今まではずーっと2ピース。
理由は、パンツの股上の深さ。
Oguriでは、女性のパンツの注文の際まず、
どう見せたい見られたいかお聞きします。(まぁ、普通しますよね)
そのときに後ろ姿のヒップは、どう見られたいか必ず聞きます。
ケツが長く見られたいか小尻に見られたいかと問うと、
ほとんどの方が小尻に見られたいと答えます。
そりゃ、そうですよね、わざわざ作るのにデカイに尻見られたいって人は、
スーツやパンツを作る方でいないですよね。
そうなってくると股上の深さが、かなり左右します。
十代、二十代の小娘が穿くローライズはどうかと思いますが、
尻が綺麗見える股上の深さというのは、存在します。
で、この方の股上は15cm 。
これになれてしまったもんだから、これより深いのは、穿かんと。
この股上で、ベストをこしらえると、えらい胴長になっちゃいますし。
でも、ベストは着たい!!!
どうしよかな〜って感じで裁断をはじめたんですが、
こうなりゃぎりぎりの線をついて、なおかつ小尻へ!!!
こんだけ書いたのにパンツの写真がない・・・。
着せ付け終わったから、完成後お披露目ですね。